今回は「虫歯菌」と「歯周病菌」についてです。
前回のホリスティックセミナー1をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ! ⇒ ホリスティックセミナー1(犬の歯について)
そういえば犬が虫歯になったという話は聞かないですね。
その理由が今回のホリスティックセミナーでわかりました。
それはpH(ペーハー、酸性またはアルカリ性を表す単位)によるものらしいです。
虫歯とは、歯垢(プラーク、食べカスのこと)にある糖分を栄養として虫歯菌が出す酸で、歯が溶けることです。
人間の口の中のpHは、普段は約6.8で中性なのですが、甘いものを食べることによってpHが下がり、5.4以下になると酸性になって歯が溶けて虫歯になります。
しかし犬の口の中のpHは、なんと約8.3もありアルカリ性なんです。
虫歯菌は酸性の環境を好み、pHが7.4以上の環境では住めません。
ですから酸性になるほどpHが下がることは無く、犬が虫歯になることはまずありません。
虫歯にならないなんて「羨ましいな」と思いますよね。
しかし、良いことばかりではありませんでした。
口の中がアルカリ性だと歯石ができやすいんです。
歯石は歯垢と唾液に含まれるミネラルが結合してできるのですが、人間は歯石になるまで約28日かかるのに対し、犬はわずか約72時間、たったの3日で歯石になってしまうんです!
そして歯石ができると今度はそこが歯周病菌の住処になってしまいます。
歯周病菌は虫歯菌とは逆にアルカリ性の環境を好み、pHが6.4以下では生きていけず7.4以上で活性化します。
ですから犬は「虫歯」にはなりにくいですが「歯周病」になりやすいんです。
歯石はご存知の方も多いと思いますが、簡単には取れません。
人間なら歯医者さんに行ってガリガリ取ってもらいますよね。
犬の場合はもっと大変で、動物病院で全身麻酔をして獣医さんに取ってもらうことになります。
そうならないためにも毎日歯ブラシをして歯石を作らないことが大事なんですね。
今回はここまで。次回は本題の「歯周病について」です。